翻訳入門

翻訳入門―翻訳家になるための考え方と実践 (Nova books)

最近、英文を日本語に訳した際に、自然な日本語に訳すことの難しさを痛感したので、amazonで評判が高い翻訳の入門書を読んでみた。評判どおりとてもためになる内容だった。

おそらく、この本は次のような人に有益だ。

  • 翻訳をやったことがないが、翻訳に興味を持っていたり、翻訳しなければならない状況にある
  • 英文を読むとき文法をとても重視する、あるいは受験英語は得意だった
  • ニュースや自分の専門分野の英文であればそれほど苦痛なく読める

この本の内容でぴんときたところを、備忘録として、列挙しておく。

  • 翻訳の基本は「日本人ならどう言うか、どう書くか」
  • ことばに表れる情報と表れない情報があることを知る
    日本語で、ビールをビンと生と区別したり、ホットがホットコーヒーを意味したりするようなこと。このような言葉に表れない情報が前提になっている場合、全体としてはおかしいのだけれど部分的におかしくないものは、後で読み返しても気づくことができなくなってしまう。
  • 日本語としてありえない言い方なのか、日本語ではあるけれども、たまたま特定の年齢層、階層、グループでは言わないものなのかをきちんと区別する
  • 翻訳をする前提は、その分野の文章を日本語で書けること
  • 確実にわかっていることとそうでないことを区別し、確実にわかっていることを増やす努力をする
  • 文法はなくてもいいもの、あればありがたいもの
  • 英語の特性をしっかりと把握する
    文法はルールではない。ルールと言うには例外が多すぎる。文法はあくまで目印と考える。
  • 原文が対応する現実は何かを考えることから始める
    対応する現実を思い描き日本語でどういうかを考える
  • どんな言葉も1本の線の上に描かれており、問題は前から後ろにかかるか?後ろから前にかかるか?
  • 意味とは点ではなく拡がりのあるもの
  • どの訳語を選ぶかは日本語の問題
    英単語の意味は、広がりはあるものの、1つ。翻訳とは、英単語の意味を正しく理解し、その意味を正しく表す訳語を選ぶという2つのステップからなる。翻訳できないのが、意味の理解のレベルの問題なのか?訳語を選ぶレベルの問題なのか?を区別する必要がある
  • 訳語から訳語を導くべからず
    訳語から訳語を導くことは先の2つのステップを無視しているため、自然な日本語への翻訳は不可能。
  • 辞書を「引く」のではなく「読む」習慣を身に付ける
    広がりのある英単語の意味を正しく理解するために必要なこと。
  • 日本語の土台なくして英語の理解に意味はない
    lackの意味は不足。absence は欠如。lackは対象が存在するがその数や量が少ないこと。absenceは対象が存在しないこと。このような微妙だが重要な意味の違いを理解できている必要がある。
  • 翻訳は実務かノンフィクションから始めるのがよい

翻訳するとき、これを心がけていれば、もっと自然な日本語で翻訳できるようになれる違いない。

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Comments

  1. 栗原潔のテクノロジー時評Ver2 [ITmedia オルタナティブ・ブログ]:

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